コラム:介護施設スタッフの7割以上が食事提供業務は「ケアに支障をきたすほど多い」と回答。最も負担な作業は「食事介助」
介護施設において、食事の時間は単なる栄養補給の機会ではありません。
利用者の健康を支える土台であると同時に、スタッフと利用者がふれあうコミュニケーションの場でもあります。
しかし、その食事を支える現場のスタッフには、想像以上に重い業務負担がのしかかっているのが実情です。
献立作成から調理、配膳、食事介助、そして後片付けまで。
一連の流れには利用者一人ひとりに合わせた専門的な配慮が欠かせず、それぞれの作業が現場の貴重な時間を確実に奪っていきます。
そこで今回は株式会社NEXERと共同で、事前調査で「介護施設での勤務経験がある」と回答した全国の男女50名を対象に「介護施設における食事提供業務の負担実態」についてのアンケートを実施しました。
「介護施設における食事提供業務の負担実態に関するアンケート」調査概要
| 調査手法: | インターネットでのアンケート |
|---|---|
| 調査期間: | 2026年4月20日 ~ 4月26日 |
| 調査対象者: | 事前調査で「介護施設での勤務経験がある」と回答した全国の男女 |
| 有効回答: | 50サンプル |
質問内容:
| 質問1: | 勤務していた(している)施設での食事提供は、どのような方式でしたか? |
|---|---|
| 質問2: | 食事提供に関わる業務の中で、特に負担が大きいと感じた作業は何ですか? |
| 質問3: | その理由を教えてください。 |
| 質問4: | 食事提供にかかる業務量は、利用者へのケアや介護業務に支障をきたすほど多いと感じましたか? |
| 質問5: | 具体的にどんな影響がありましたか? |
| 質問6: | 食事提供業務の負担が軽減されれば、利用者と向き合う時間やコミュニケーション |
| 質問7: | その理由を教えてください。 |
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
◆質問1:勤務していた(している)施設での食事提供は、どのような方式でしたか?
最も多かったのは「施設内で調理する直営方式」で70.0%を占めました。
次いで「外部業者への委託」が24.0%、「その他」が4.0%、「調理済み食品の活用」が2.0%でした。
施設内で一から食事を作り上げる直営方式が、依然として介護現場の主流となっていることがうかがえます。一方で、一定数は外部業者への委託を経験しており、施設の方針によって提供スタイルにばらつきがあることもわかりました。
◆質問2:食事提供に関わる業務の中で、特に負担が大きいと感じた作業は何ですか?
続いて、食事提供に関わる業務の中で特に負担が大きいと感じた作業について聞いてみました。
最も多かったのは「食事介助」で36.0%でした。
次いで「献立作成」が14.0%、「配膳」が10.0%と続きます。
食事を「作る」工程よりも、利用者と直接関わる「介助」の場面に大きな負担を感じている方が多い結果です。
質問3では、それぞれの作業に負担を感じる理由を聞いてみたので、一部を紹介します。
「食事介助」と回答した方
- 自分で食べられない高齢者が多く手がまわらない。(30代・女性)
- 嚥下機能に対応した介助が必要だから。(40代・女性)
- 誤嚥に気をつかうため。(40代・男性)
「献立作成」と回答した方
- さまざまな患者さんに対応するのが大変だから。(40代・女性)
- 毎日のことだから。(60代・男性)
- 考えるのが大変。(60代・男性)
「配膳」と回答した方
- いろんな入居者さんがいるから。(40代・女性)
- 個々の確認をしながらなので気をつかいます。(50代・女性)
- 食事制限のある利用者へ提供間違いのないようには配膳しなければならない。(70代・男性)
利用者一人ひとりの状態に合わせた個別対応、嚥下機能や誤嚥リスクへの細やかな配慮、食事制限への確認作業。食事提供業務には、想像以上に高い専門性と神経の集中が求められていることがわかります。
限られた人手と時間の中、心身ともに大きな負担を抱えているスタッフが少なくないようです。
◆質問4:食事提供にかかる業務量は、利用者へのケアや介護業務に支障をきたすほど多いと感じましたか?
続いて、食事提供にかかる業務量がケアや介護業務に支障をきたすほど多いと感じたかどうか聞いてみました。
その結果「とても感じた」が28.0%、「やや感じた」が44.0%で、合わせて72.0%が支障を感じていることがわかりました。「あまり感じない」は24.0%、「まったく感じない」は4.0%にとどまっています。
7割を超える現場スタッフが、本来注力すべき利用者ケアにまで影響が及んでいると感じている実態が浮き彫りとなりました。
質問5では、具体的にどんな影響があったかを聞いてみたので、一部を紹介します。
- 排泄介助やリビングで過ごす方への配慮をしながら食事の時間に間に合うように料理をすると、どちらかがおろそかになると感じた。(30代・女性)
- 同時に何人も食事介助して目を離した隙にほかの人がのどを詰まらせていることがある。(30代・女性)
- 誤嚥のリスクがあること。(30代・男性)
- 精神が張り詰めて疲れがどっときました。(30代・男性)
- 食事に時間がかかり、その後の身体介助が遅れる。(40代・男性)
- 時間的拘束が多く、他業務に回す時間がとても足りなかったと感じています。(50代・男性)
食事提供業務の重さが、ほかのケア業務の遅れや手薄さを生み、結果的にスタッフの精神的な疲弊にもつながっている現状が見えてきます。
誤嚥や見守り不足といったリスクは、利用者の命や安全に直結する深刻な問題でもあり、現場が抱える課題の重大さを物語っています。
◆質問6:食事提供業務の負担が軽減されれば、利用者と向き合う時間やコミュニケーションに充てられると思いますか?
最後に、食事提供業務の負担が軽減されれば、利用者と向き合う時間やコミュニケーションに充てられると思うか聞いてみました。
その結果「とても思う」が38.0%、「やや思う」が44.0%となり、合わせて82.0%が肯定的な回答を寄せました。「あまり思わない」は14.0%、「まったく思わない」は4.0%でした。
8割を超える方が、業務効率化の先に「人と向き合う介護」の可能性を見ていることになります。
質問7では、利用者と向き合う時間やコミュニケーションに充てられると思う理由を聞いてみたので、一部を紹介します。
- 食事を作りながら利用者の相手をするのは難しいから。手も目も足りない。(30代・女性)
- 最低限の安全を保つことも難しいから余裕ができればできることも増えるため。(30代・女性)
- 余裕が生まれるので。(30代・男性)
- ゆとりを持ってできるから。(30代・男性)
- 労働生産性が高まるから。(40代・男性)
- 分業されていれば利用者様に向き合う時間が増えて充実する。(50代・女性)
時間的なゆとりがあれば、より丁寧に利用者と関われる。
多くの回答から、そうした切実な思いが伝わってきます。
業務の効率化と「人と向き合う時間」の確保は、決して対立するものではなく、両立を目指すべきテーマだといえるでしょう。
◆まとめ
今回の調査では、介護施設で働く方々の72.0%が食事提供業務の量にケアへの支障を感じ、最も負担の大きい作業として36.0%が「食事介助」を挙げる結果となりました。
さらに82.0%もの方が、業務負担の軽減によって利用者と向き合う時間が増えると回答しています。現場から寄せられた声からは、食事業務の効率化が単なる作業の省力化にとどまらず、ケアの質や利用者の安全性を高める重要な要素であることが伝わってきました。
新東亜交易株式会社では、老人ホームや高齢者介護施設に向けて、完全調理済み冷凍食品配食サービス「pocher(ポシェ)」を提供しています。食事提供にかかる調理や準備の負担を減らし、現場業務の効率化をサポートします。
施設の規模やご利用者の状態に合わせて、最適なプランのご提案が可能です。
試食しながら比較・検討できるため、まずはお気軽にご相談ください。
<記事等でのご利用にあたって>
・引用元が「株式会社NEXERとpocher(ポシェ)による調査」である旨の記載
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